(貯血式)自己血輸血

1(自己血輸血の必要性)
今回患者さんに実施させていただく手術では、骨などから相当量出血をすることが予想さ
れ、輸血が必要になる可能性があります。輸血の方法は、他人の血液を患者さんに入れる
同種血輸血が一般的ですが、この方法ではアレルギー症状、ウイルス性疾患の感染などの
副作用が生じることがあります。これに対して、あらかじめ患者さんの血液を手術前に貯
めておき、手術中や手術後に輸血する(貯血式)自己血輸血という輸血法があり、この方
法では同種血輸血で起きる副作用がほとんど生じません。今回の手術で輸血が必要になる
場合は、この自己血輸血をさせていただきます。

2(検査)
大量の血液を採取すると一時的に貧血になりますので、患者さんの健康状態によっては、
この方法が実施できないときがあります。患者さんの健康状態やその変動の把握のため、
定期的に血液などを検査させていただきます。

3(同種血輸血)
患者さんの健康状態により自己血輸血ができないときや、自己血だけでは輸血が足りない
とき、自己血輸血が適さない感染性の病気などのときは、やむを得ず同種血輸血を行いま
す。

4(薬剤)
鉄剤、エリスロポエチンなどの造血を促進する薬剤を、手術前または手術後に投与させて
いただくことがあります。