陥入爪根治術 1(陥入爪) 陥入爪(巻き爪)は、足の第1趾、第2趾に多くみられる爪の変形の一種です。爪のサイ ドが巻き込むように「わん曲」し、皮膚にくい込んでしまった状態です。非常に痛く、化 膿すると赤く腫れ、化膿が長びくと肉芽が盛ってきます。 若い女性に多く、原因は、先の細い靴・ハイヒール・小さすぎる靴などによる足趾の圧迫 やスポーツ、長時間の立ち仕事などによる足趾の圧迫、外傷・抜爪・深爪、先天性などが あります。 治療は、まず窮屈な靴やハイヒールをはかないようにし、化膿している場合は消毒や抗生 剤の局所投与・全身投与などが行われています。 素足にサンダルを履き足趾を窮屈にさせないようにして、陥入爪が悪化しないようにして いる人もいる人もよく見かけます。抜爪は、多くの場合かえって陥入爪を悪化させます。 保存的治療で良くならない場合は、化膿をしずめた後に手術が行われます。 2(麻酔) 手術は局所麻酔で行います。まれに、局所麻酔剤によりショック症状を生じる場合があり ます。もし生じた場合は、直ちにその治療をします。 3(手術) 手術は、巻き込んでいる部分の爪やその下の組織、爪の根っこ(爪母)までを細長く切除 してやる方法です。この手術では、巻き込んでいる部分の爪はもう生えてきません。その ため爪の横幅が少し狭くなるのが欠点です。 抜糸は約2週間後になります。それまでは、なるべく手術した部位を安静にしていただき ます(一時的に松葉杖を使用することもあります)。 4(再発) 手術で切除した爪の根っこ(爪母)が一部残り、そのため切除した部位に小さな爪が生え て、後日、その余分な爪を切除する手術を要することがあります。 また、手術により一時的に陥入爪が治っても、今まで通り窮屈な靴を履き続けたりすると 再び陥入爪になる可能性があります。 5(感染) まれに手術部に細菌が感染し、化膿して治療が困難になることがあります。その予防のた めに、抗生剤を内服薬で服用していただきます。もし感染を生じた場合は、その治療を開 始します。 |