腱鞘切開術（成人）

１（ばね指）
指を曲げる腱（けん）の通り道が、使い傷みのため指の付け根のところで狭くなり、痛み
や動きの制限、バネ指現象などが生じています。

２（麻酔）
手術は局所麻酔で行います。まれに、局所麻酔剤によりショック症状を生じる場合があり
ます。もし生じた場合は、直ちにその治療をします。手術中は腕の付け根を縛っているた
め、痛く感じることがあります。

３（手術）
手術では、指の付け根のところに約１〜２ｃｍの切開を加えます。腱の通り道（腱鞘）の
狭くなっている部位を切開・切除し、腱がスムーズに動くようにします。まれに指の動き
にくさの原因が、ガングリオン等のできもの（腫瘍）によることがあります。その場合は
そのできものを摘出します。

４（手術後）
関節は不必要に安静にしていると、固まって動きが悪くなったり、力が弱くなったりしま
す。そのため手術後は、翌日より指の運動を開始していただきます。長期にわたり腱鞘炎
が続いた場合は、指の関節自身の拘縮が生じていることが多く、指の関節が十分に屈伸で
きるようになるまでに、相当期間を要する場合があります。

５（再発）
手術後、まれに同じような症状が再発する場合があります。特にガングリオン等のできも
のが原因の場合は再発する確率が高くなります。

６（感染）
まれに手術部に細菌が感染し、化膿して治療が困難になることがあります。その予防のた
めに、抗生剤を内服薬で服用していただきます。もし感染を生じた場合は、その治療を開
始します。

７（合併症）
腱の横には知覚神経があり、手術後しばらくしびれが続く場合があります。