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Jan/2001〜 脊椎 Q&A ライブラリー

TOME [01年 2月 12日 (月) 9時 53分] 奈良県在住、38歳、男性
身長 175cm、体重 70kg、職業:会社員
【スポーツ歴】
学生時代はハンドボール
現在は週一回1.5時間テニスのレッスンを受講
【相談・質問】
数年に1度くらいの極めてまれな頻度なのですが、朝起きると突然首の筋肉に激痛が走ることがあります。ハッキリした原因は思い当たらないのですが、前日に根を詰めてPC操作に集中したときになるような気がします。首を前に倒したまま支えようとしたり、仰向けに寝た状態から起きあがろうと首に力を入れたときに、首の後ろの骨が出っ張ったところ周辺に激痛が走ります。元々肩こりにはならない体質です。


[tomos]

 寝ちがえ(急性項部痛)は、整形外科の専門書にほとんど解説されていませんが、日常診療においてよく遭遇する疾患です。
 寝ちがえは、睡眠時の頭部の姿勢が悪いと起こりやすいとされていますが、起床時以外でもちょっとしたきっかけで急激に発症することがあります。また、若年者や高齢者には比較的少なく、働き盛りの人に多いような印象があります。おそらく四十肩・五十肩と同様、多くは、加齢変化を生じた頸椎に不良な姿勢等の無理がかかり発症するものと考えられます。こういった理由で、繰り返し発症することも多いようです。
 寝ちがえは、たいてい数日で治りますが、痛みが激しいときはカラー等の頸部の安静、鎮痛剤の服用、外用薬の使用などの対症療法がとられます。
 寝ちがえだと思っていても、なかには頸椎椎間板ヘルニア等の症状であることもありますから、数日してもなかなか治らない場合は、念のため整形外科を受診されるといいでしょう。

(Feb/13/2001)

miho [01年 1月 09日 (火) 22時 25分] 大分県在住、29歳、女性
身長 160cm、体重 47kg、職業:講師
【スポーツ歴】
スノボ
【現病歴】
椎間板ヘルニア
【医療機関】
麻生整形外科クリニック
【診療内容】
首のことで質問です。スノーボードで、滑走中に左後方に転倒しました。その際、首が「ギュー」っとなりました。が、その後痛みは、首ではなく左肩に広がり、左から後ろを振り向くことができないほどの痛みでした。ところが、本日
病院でレントゲンをとると、首の5番目と6番目の関節がくっついているとのことでした。右からのレントゲン写真でみると、関節の各空間が均等なのに対して、左からのものではやはり、5番目、6番目が狭くなっているのがはっきり見えました。担当医によると、これが今回のスノボでの転倒によるものとは言い切れなく、もしかすると生まれつきかもしれないとのことでした。電流でヘルニアの治療をしています。
【相談・質問】
上記のような診断で、いまはとりあえず、肩のヘルニアを治すため電流によるリハビリをしています。首の関節の件は、「激しい運動や事故に気をつけるよう」にいわれただけでした。このまま、放っておいてもよいのでしょうか?


[tomos]

 miho さんは、スノーボードで転倒し頸部捻挫をされたようです。けがをして、いきなりレントゲンで第5、6頸椎の椎間狭少が現れるとは考えにくいので、第5、6頸椎の椎間狭少は以前からあったものでしょう。
 頸部捻挫により椎間板ヘルニアを生じるということも、時にはありますが、多くの場合、元来椎間板に加齢に伴う変性(いたむこと)があり、頸部捻挫により症状が出現するようです。また椎間板ヘルニアがなくても、頸部捻挫時に首が前後に激しく曲がり、頸椎から腕に分岐する神経が頸椎の出口で圧迫され、しばらく上肢(肩、腕、手)、背部の痛み・しびれが続くことがあります。なお、椎間板ヘルニアの診断にはMRI検査が有用です。
 治療は、まずは安静で、受傷後約3週間はあまり無理をしない方がいいでしょう。痛みに対しては鎮痛剤を服用したり、外用薬を使ったりして対症療法を行っています。

(Jan/10/2001)

M [01年 1月 09日 (火) 2時 51分] ?在住、23歳、男性
身長 178cm、体重 64kg、職業:学生
【スポーツ歴】
中学校でバスケット
【相談・質問】
首筋の上部左側(前方から見た位置は左目の下方です)にガングリオンのようなしこりができたのですがどんな症状が考えられるでしょうか?
いじると若干動くような感触もあるのですが。

[tomos]

 おそらくリンパ節が腫れているのか粉瘤だと思います。
 首の周りにはリンパ節が多くあり、「いじると動く」ということですからリンパ節の腫れが最も考えられます。リンパ節は風邪や扁桃炎、虫歯、副鼻腔炎などの炎症があれば腫れることがあります。また希にはウイルス等の感染症や血液の病気が原因であることもあります。さらに中高年であれば、ガンのリンパ節転移ということもあります。一度内科または外科で診察を受けられのがいいでしょう。なお、特にこれといった原因がないのにリンパ節が腫れていることがあり、tomos も昔から右顎の下あたりに一つあります。これは放っておいても特に問題がありません。
 粉瘤は頭や顔、首、背中などの皮膚や皮下にできやすい比較的小さい腫瘤(しこり)です。アテローム(ドイツ語)とも呼びます。その腫瘤は袋状になっていて内部に毛穴や皮脂腺からの分泌物が「おから」や「マヨネーズ」みたいな感じで詰まっています。ときに化膿し、独特の悪臭のある膿(うみ)が出たりします。化膿を繰り返す粉瘤は外科的に摘出します。

(Jan/9/2001)

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tomos<since Jan/17/1998>last updated Feb/13/2001