[Q&A ライブラリーへ戻る|〜 May/1998 膝関節 Q&A|Jan/2001〜 膝関節 Q&A]

Jun/1998〜Feb/2000 膝関節 Q&A ライブラリー

めりー [00年 2月 03日 (木) 23時 29分]

 はじめまして。26歳の女性です。158センチ51キロ、小学校の先生をしています。
 小学校4年生からバレーボールを始め、中学、高校、大学、ずっと続けてきました。中、高は、かなり厳しい練習にも耐えてきました。大学では怪我が怖くてマネージャーをしながら、好きな時に友達と体を動かしていました。大学卒業後は週1回ママさんバレーに行っています。怪我は、中学時代に右手首の強い捻挫。2週間ほどギプスをしたと思います。高校時代には左足首の靭帯を切って3週間ほどギブスをしました。完全には切れていないということだったので、手術はしませんでした。
 そして昨年の11月14日、バレーの試合でスパイクを打って着地した際、左膝の前十字靭帯を切ってしまいました。最初に行った病院では靭帯は切れていないということで、コルセットをはめて松葉杖で2日間過ごしました。ところが膝のはれと内出血はひかず、歩くことはもちろん立って左足を床につけるのも痛くて、怪我をして3日目に大きな病院へ行きました。手で触った感じや、レントゲン、MRIの結果から、前十字靭帯が切れているようだといわれ、怪我から1週間後に入院、手術しました。手術といっても関節鏡で切れているのを確認した後、のりのようなものを流し入れて、切れた靭帯をつないでやるというものだったと聞いています。約3週間ギプスをして、そのあとは装具をつけて生活しています。現在は仕事の時だけ装具をつけています。
 かなり膝も曲がるようになってきた(1/26現在115度くらい)のですが、階段の下りは右、左と降りれないことのほうが多いです。また、膝がまっすぐに伸びきらないので、普通に歩くのもまだです。2月に再びMRIを撮って、靭帯のつき具合が良ければ3月下旬頃から軽いジョギング、走るのは5月くらいから、バレーボールは1年くらいでできるけどレクレーション程度といわれています。もし、膝崩れがひんぱんにおきたり、靭帯がうまくついていなかったりすれば、再腱の手術をするようです。
 そこで私がTOMOS先生にお聞きしたいことは、

1、私のような前十字靭帯の手術もよくあるのでしょうか。私が知っているのは、他の靭帯をつないでやる、このホームページの中にも紹介されているものだけなのですが、この手術で本当に大丈夫なのでしょうか。(左膝前十字靭帯切断、左膝内側側副靭帯損傷、外側半月版損傷と診断されましたが、手術したのは前十字靭帯だけです)

2、できればまたバレーボールをしたいと思っています。レクレーション程度と言われてもついつい本気になるかもしれません。そうしたことでまた前十字靭帯を切っていしまうことは あるのでしょうか。

3、仕事の関係で、いつ頃までに、どのくらいのことができるようになるのか不安です。走ったり跳んだり、例えば跳び箱とか水泳とかどのくらいでできるようになるのでしょうか。

4、4月からも仕事を続けたいと思っています。良いリハビリ方法があれば教えてください。 立ちっぱなしですごすことが多いので、寒い日には膝が曲がりにくくてぎしぎしいう感じがします。時には筋が引っかかるような感触もあります。4月の新年度を前に少しでも先が見通せたらと思います。

 どうぞよろしくお願いします。   

[tomos]

 ノート型PC(4年前のメビウス)からデスクトップ型PC(組み立てPC)に引っ越しをしていて、お返事が遅くなりました。2月のMRIの結果はいかがでしたか?
 さて、めりーさんの手術時に使用した「のり」は「フィブリンのり」と呼ばれ、出血時に固まる作用のある血液の成分を利用した一種の「手術用のり」です。tomos や奈良医大整形外科教室の医師の間では、フィブリンのりは神経や硬膜(脊髄を被っている膜)の縫合部に散布して縫合部を補強する目的で使用することが多いですが、半月板の修復にフィブリンのりを使用したドクターもいます。
 前十字靭帯損傷に関してはフィブリンのりの使用経験はありませんが、靱帯の一部分が切れる部分断裂や前十字靭帯が付着部できれいに剥がれてあまりずれていない例には使用することはないことはないそうです。その場合にはフィブリンのりだけでは強度的に心細いので、ギプスを3週間巻くことになると思います。なお、こういった損傷ではギプスだけでも治ることがあります。
 現在受傷後4ヶ月を経過していて、水泳はされても特に問題ありませんが、跳び箱やバレーボールのようなジャンプするスポーツを思う存分するのは、もうしばらく控えた方がいいでしょう。また、靱帯の緩みの状態にもよりますが、バレーボールができるようになっても簡単な前十字靭帯損傷用のサポーターを装着してプレーした方がより安全かと思われます。
 リハビリ方法についてですが、基本的には膝の可動域訓練と筋力トレーニングですが、前十字靭帯損傷後のリハビリにはその時期に応じたプログラムがありますから、詳しくは担当医やリハビリの先生にお聞きください。

(Mar/15/2000)

しゅう [00年 2月 03日 (木) 22時 57分]

 息子の膝についてご相談いたします。
 私の息子は身長174cm体重75kgです。15年程前に左膝を重いものを持ったため伸ばしてしまいました。その時は整体師とかスポーツ整形で診察をしていただいて今日までだましながら生活してきましたが、ここ2、3年腰とか両方の膝とかが痛くなり、左足の方向も外に向きぎくしゃく歩いております。
 TOMOS先生のQ/Aで膝関節の丁寧なご回答を拝見し息子の膝も手術等で回復出来るものかご指導お願いしたいとご相談申し上げるところです。よろしくお願いいたします。
 なお、今まで手術はしていません。また、徳島に住んで居りますのでインタネットで検索しても専門医が分からず困っています。

[tomos]

 しゅうさんのご相談にお答えさせて頂くには、少し情報が不足しています。息子さんの年齢、スポーツ歴、職業、15年前に「左膝を伸ばした」とは靱帯を傷めたのか?、もし靱帯を傷めたのであればどの靱帯なのか?、スポーツ整形で診察を受けたときの診断名・治療、今までの外傷歴・かかった病気、現在かかっている病気の有無・種類などをお教えいただければ幸いです。伝言板で構いませんから書き込んで下さい。

(Feb/7/2000)

しゅう [100年 2月 09日 (水) 14時 40分]

 さっそくのご返事ありがとうございます。情報の記入漏れお許し下さい。

 箇条書きに書きますのでよろしくお願いします。

身長     174cm
体重     75kg
年齢     26才
性別     男
スポ−ツ   野球
職業     会社員
痛めた靭帯  不明(膝)
診断名    靭帯が伸びたかも知れないとの診断(スポ−ツ整形で)
治療     整体院での整体と温湿布 スポ−ツ整形ではなし(11才時、その後なし)
外傷歴    なし
病歴     なし
現病     なし


[tomos]

 現在26才の息子さんは15年前、つまり11才の時に重いものを持ち左膝を傷めたそうです。「靱帯を伸ばした」とのお話ですが、11才の小児が重いものを持ったぐらいで靱帯を傷めるというのは考えにいように tomos は思います。ご相談内容だけでは診断は難しいのですが、あえて大胆に推測するとすれば、「現在は両膝に症状がある」等を総合的に判断して、元来あった円板状半月板を傷めた可能性があります。その他に、離断性骨軟骨炎膝蓋軟骨軟化症なども考えられます。
 いずれにせよ診察をさせていただかないと診断は困難ですから、スポーツ整形外科や膝関節外科に詳しい整形外科(病院・診療所)を受診されることをお勧めします。

(Feb/10/2000)

しゅう [00年 5月 09日 (火) 19時 54分] 徳島県在住、51歳、男性

 tomos先生3ヶ月ぶりです。息子(25才)の件でご相談申し上げたものです。
 5月8日に病院へ行ってまいりました。

 現在の症状、右脚の骨の変形による筋の炎症

1、膝下5センチ内側と足首内側の筋の炎症
2、膝から下の骨の外側への曲がり−−12才から変形成長
3、保護装具では曲がりは治らない
4、このまま辛抱する
5、骨を骨切りし、向きを変える
6、関節は異常なし

 以上の診断でした。
 早く歩いたり走るなどをすれば痛くてたまらないようで、息子は手術をしたいようなのですが迷っている様子です。手術をするべきか他の方法があるならどのような方法かご指導願います。私も手術の賛成をしたら良いものか判断しかねています。
 メールは社内メールなのですみません。相談ボードがお休みなのでここへ書かせてもらいました。お忙しいところすみません。

[tomos]

 5月22日(月)しゅうさんが息子のJさんに付き添って tomos の勤務する恵生会病院を受診されました。
 Jさんは軽度の0脚(tomos のO脚よりも軽い)ですが、骨切り術で矯正するほどではありませんでした。主に痛みがあるのは右膝関節内側やや下の鵞足と呼ばれる部分で、現在は同部の炎症をきたし、「鵞足炎」という状態だと考えられます。
 鵞足とは、大腿内側の筋肉の腱が脛骨に付着している部分をいいます。ガチョウの水かきのような形状をしているのでこう呼ばれています。鵞足に無理な力がかかり同部を傷めると「鵞足炎」という状態になります。活発な若い人では、X脚や回内足などの下肢のアライメント異常があると、鵞足に無理な力がかかりやすいと言われています。
 JさんはX脚ではありませんでしたが(むしろ軽度のO脚)軽い回内足の可能性もあり、(内側が厚い)足底板を装着するのが効果的かもしれません。5月22日は鵞足に局麻剤とステロイドを注射させて頂きましたが、これがよく効いているようですと鵞足炎の可能性が非常に高いです。

(May/25/2000)

Nao [00年 1月 24日 (月) 23時 27分]

 Tomos先生こんにちは。何度か伝言板にタナ障害のことで書き込みさせていただいたNaoです。
 手術は先月16日に関節鏡を使用して無事終了し、タナ障害の痛み(以前からの痛み)はとれたのですが、現在別の痛みに悩まされております。
 手術では膝蓋骨の内側下部と外側上部、下部を小切開し関節鏡等を挿入しました。患部であった内側下部には痛みはありませんが、膝蓋骨外側上部の骨と腱が付着している部分?にガングリオンのような硬い1センチほどのシコリがあり、それが膝の屈曲時に痛みを誘発しているような気がします。またその部分に引っ掛かりを感じることもあります。(素人の意見で恐縮なのですが、)ただガングリオンというよりも腱?が何らかの理由で固くなっているという感じです。
 患部の状態は当然手術をした主治医が一番よくご存知なので、そちらに相談すればよいのかもしれませんが、いつも混んでいて今度の外来の予約も1ヶ月後なのでこらちの相談ボードに書き込みさせていただきました。この痛みの原因とは何が考えられますか?やはり手術と関係しているのでしょうか?また今リバビリをかねたトレーニングで自転車、プール、また筋トレとして「レッグエクステンション」「レッグカール」等を可動域範囲を制限して行っています。(運動前後のストレッチ、運動後のアイシングは必ず行っています。)このようなトレーニングを続けていてもいいものなのでしょうか?(私としては早く競技に復活したいのですが・・・)
 なかなか思うようにリハビリが進まず、精神的にちょっとあせっています。どうかよいアドバイスをお願いいたします。
 私の情報を書くのを忘れていました。年齢32歳、女性、166センチ、55キロ、スポーツ:ラケットボール(全日本代表レベル)です。

[tomos]

 関節は関節包という袋状の組織で包まれていて、さらにこの関節包の内張りのような組織は滑膜と呼ばれています(滑膜は関節液という関節の潤滑液のような液体を生成しています)。膝関節には、この滑膜がヒダ状になっているところがあり、これを滑膜ヒダといいます。滑膜タナ障害(タナ障害)とは、スポーツ等により膝前面の内側にある滑膜ヒダ(膝蓋内側滑膜ヒダ、タナ)が痛む障害をいいます。日本人の約50%はこのタナがありますが、膝に負担のかかるスポーツ等によりタナに炎症を生じると、このタナ障害になることがあります。
 タナ障害と診断された場合でも、まずはスポーツの練習量を減らす、外用剤を使用するなどの保存的治療を行います。しかし症状が強い場合には関節鏡を行い、タナに病変を認めればこのタナを関節鏡視下に切除する場合があります。
 Nao さんは12月16日、鏡視下にタナ切除術を受けられたそうです。現在「関節鏡を挿入した膝蓋骨外側上部にしこりができて痛むが、これは何か?」とのご相談ですが、やはり実際に診察させていただかないと正確な判断はできないように思われます。手術の傷が治る初期には多かれ少なかれ肉芽組織というしこりの様な組織ができますから、おそらくそれだとは思われますが…。この肉芽組織も数ヶ月すればだんだん小さくなって瘢痕化していきます。もし支障がなければトレーニングもこのまま続けられていいと思います。

(Feb/3/2000)

ともこ [00年 1月 14日 (金) 11時 04分]

 年齢;18歳、性別;女、学生、スポーツ;サッカー・ソフトボール。滑膜切除の手術をしました。
 質問ですが、脚の膝の滑膜切除手術をすると膝の曲げ伸ばしがしにくくなったりするのでしょうか。また滑膜がないことでおこる膝の障害などはあるのでしょうか。
 私は学校でスポーツのクラブ活動をまだしたいのですが、脚の膝に負担のかかる激しい運動をおこなってもいいのでしょうか。特にウェイトトレーニングのスクワットなども手術前と同じように重い負荷をかけて行ってもいいのですか。


[tomos]

 ともこさんのご相談にお答えするには、もう少し詳しい情報が必要です。
 滑膜切除術は一般的には慢性関節リウマチの患者さんに行われる手術ですが、ともこさんのご病気の診断名をお教え下さい。また、滑膜切除術は関節鏡視下に行われたのでしょうか?それとも関節を切開して行われたのでしょうか?
 また、膝関節以外にも関節の症状はあるのでしょうか?
 伝言板で構いませんので、以上の質問にお答え下さいますようにお願いいたします。

ともこ [00年 1月 15日 (土) 8時 20分]

 診断名は若年性関節リウマチです。手術は関節鏡を使いました。以前は両膝に症状がでていましたが、現在は左膝だけが具合が悪く、手術も左膝だけ行いました。
 その他の関節にはまったく症状がありません。目にも虹彩炎がでましたが、現在はおさまっています。

[tomos]

 小児に生じた慢性関節リウマチ(RA)を若年性関節リウマチ(JRA)といいます。成人に発症するRAと違い、JRAは多彩は症状が現れ、特徴的な病型がみられます。
 ともこさんのJRAは少関節型というタイプで主に膝関節に炎症が起こります。JRAでは眼症状として、ともこさんのように虹彩毛様体炎が認められることがありますが、これは少関節型に多いと言われています。
 関節は関節包という袋状の組織で包まれていて、さらにこの関節包の内張りのような組織は滑膜と呼ばれています。RAの関節炎は自己免疫反応による滑膜の炎症が発端だと言われていますが、初期のRAでは、この滑膜を手術で切除して、関節の炎症や関節の破壊がおきにくくすることができます。この手術を滑膜切除術といいます。以前は、滑膜切除術は関節を切開して行っていましたが、最近は関節鏡が普及し、関節鏡視下に実施することが多くなっています。
 滑膜は関節液という関節の潤滑液のような液体を生成していますが、ともこさんは滑膜切除術によって滑膜がなくなれば関節に何か不具合が起きるのではないかと心配されています。しかし、滑膜切除術といっても、すべてを切除することは困難なので多少滑膜が残りますから、そうした心配はあまりいらないでしょう。膝の曲げ伸ばしにもそんなに支障がないと思われます。
 また、今後のスポーツ活動については、膝関節がJRAによりどのくらい傷められているかによりますので、主治医の先生とよく相談してください。関節破壊がないか、あっても軽い場合には膝に負担のかかるスポーツでも可能な場合があります。もちろん、たとえ関節破壊がある場合でも、水泳等の膝に負荷のかからないスポーツはOKです。

(Jan/19/2000)

たかゆき [99年 4月 12日 (月) 22時 03分]

 こんにちは。ぼくは24歳の男です。
 先月バイクで転倒し左膝にけがしました。最初は切っただけでたいしたことないと思ってたけど、なんと骨折していることがわかりました。左膝の筋肉が切れていて、おさらがちよっことかけていました。3/9に手術しました。
 今は退院してきてリハビリにかよってますが膝が90°以上曲がりません。歩くにも松葉杖で歩いてます。仕事が大工だけにどれくらいで治るのか心配です。先生は具体的なこと教えてくれないので困ってます。こんな場合どれくらいで治るのでしょう。


[tomos]

 たかゆきさんのご相談は、「左膝の大腿四頭筋の一部を断裂し(膝蓋骨の一部も骨折)手術を受けたが、術後1ヶ月が過ぎても膝が90度しか曲がらない」という内容です。
 「膝蓋骨がちょこっとかけた」のはあまり問題ではありませんが、断裂した大腿四頭筋は大事な筋肉です。筋肉の縫合手術の後はおそらくギプス固定を3週間されたと思いますが、手術後1ヶ月で膝が90度曲がるのはどちらかと言えば回復が早いほうだと思います。
 今後、正座ができるまで膝の可動域が回復するのには1〜3ヶ月かかると思います。また太ももの筋肉が痩せてきているはずですから、大腿四頭筋を鍛えるリハビリを十分に行いましょう。筋肉の回復には半年〜1年ぐらいかかりますので、あせらずじっくり頑張って下さい。

(Apr/14/1999)

大阪市 [99年 1月 06日 (水) 0時 37分]

 27歳の男性で職業は積算技師です。
 19歳の時に単車による事故で左膝を強打し、左膝関節内血腫と診断されました。注射器による血腫の除去を行い、血腫が見られなくなった後リハビリを行いました。左膝が完全に曲がらなくなったのとガクガクするという症状が残ったものの、日常生活にこれといった支障は無いまま8年間経過しました。
 去年の6月頃よりウオーキングマシンのやり過ぎか左膝(外側の骨が出っ張った箇所周辺)が痛みだし、使用を止めていました。それからはいったん症状が無くなったのですが、4ヶ月後の10月に同箇所に激痛が走り、完全に膝がロッキングされ動かなくなりました。30分ほど安静にしていたら回復しましたが、以降度々発生するようになったため、済生会中津病院にてMRI等による診断を受けた結果、「(異物が移動していなく固定しているが)関節鼠様の症状」とのことで関節鏡による除去手術を受けました。
 結果、「異物は関節の剥離したものではなく柔らかい物であった」ことから、除去せず洗浄を行ったのみで終わった。ただ「半月板の端のほうがビラビラしており正常と異常の中間」ということであったが、「除去するのはもったいない」ということでした。また「後十字靱帯が切れてもいる」とのことでした。
 「とりあえず様子をみて、再度ロッキングが出るようならもう一回調べる」と言うことなのですが、1ヶ月ごろから激痛が再び出だし(外側の骨の出っ張った付近が腫れる)、現在に至っていますが、本当に関節鼠なのでしょうか?また治るのでしょうか?特徴としては横になって寝ているときに左足を横にあげたときなどにロッキングしやすく、朝に発生する事が多く、仕事に支障が出ています。
 どうぞご指導よろしくお願いします。

[tomos]

 8年前の事故の後、左膝が「ガクガクする症状」が残ったのは(今回の関節鏡で明らかになったように)後十字靱帯が切れたためだと考えられます。
 「関節ネズミ」は、遊離した関節軟骨が関節の中を移動してはさまったりして痛みやロッキングの症状が出現しますが、関節鏡ではそれらしきものはなかった?そうですね。
 膝のロッキングは半月板損傷の時によく見られる症状ですが、関節鏡では、半月板にも大した所見はなかったようで?、ロッキングのような症状は後十字靱帯損傷による症状かもしれません。

【後十字靱帯損傷(PCL損傷)】
 膝関節の中央には十字靱帯と呼ばれる2本の靱帯があります。それらは、脛骨(スネの骨)側前方から大腿骨側後方へつながる「前十字靱帯」(ACL、Anterior Cruciate Ligament)と脛骨側後方から大腿骨側前方へつながる「後十字靱帯」(PCL、Posterior Cruciate Ligament)です。前後の各靱帯が十字に交差していることから十字靱帯と呼ばれています。(前十字靱帯損傷の治療に関しては既に解説しております)
 PCL損傷の受傷機転は、膝から少し下のスネの部分を前方からぶつけた場合にPCLが断裂するケースが大部分です。PCLが切れると関節の後方への不安定性(脛骨側が後方へずれる)が残ります。たとえば、あお向けに寝た状態で膝を立ててやるとスネの部分が後方へ落ち込みます。PCL損傷による症状が著しい場合には、この状態で膝を70度ぐらい曲げてやると脛骨の外側が後方へガクッとはずれることがあります。「横になって寝ているときに左足を横にあげたときなどにロッキングしやすい」とおっしゃっているのは、これに似た症状なのかもしれません。
 PCL損傷の受傷直後は、膝を伸ばした状態でギプス固定や装具による固定をまず行います。その後、PCL損傷用の膝サポーターを装着していただいています。大腿四頭筋を鍛えると膝関節が安定するので、このリハビリを十分に行うことが重要です。
 PCL損傷は、ACL損傷に比べれば手術をしないでも日常生活に支障がない場合が多いですが、PCL損傷による症状が著しい場合や半月板損傷等を合併している場合は、前十字靱帯再建術と同様な手術を行うことがあります。

(Jan/12/1998)

Y.A生 [98年 11月 04日 (水) 22時 53分]

 前略7月末くらいからの膝の痛みがあり二つの病院で診断を受けましたが、微妙に診断が違いどう理解してどう対処したら良いものか悩んでおります。
 40歳、男性、身長177センチ、体重67キロ、会社員(事務管理職、デスクに向かっての仕事がほとんどです)、スポーツ歴は中学高校時代に野球、大学時代から現在までは季節毎にスキー、テニスなど。3年ほど前までの3年ほどはジョギングをやっておりました。最近は仕事が忙しく運動といえばたまのボーイスカウト活動でのハイキング程度です。これまで大きな手術を受けた経験はありません。中学高校時代に両膝、足の親指の関節炎にかかったことがあります。そのせいか大学生の頃にも膝に少し痛みが残っていたような記憶があります。このほか、B型肝炎にかかったことがあり、抗体が出来ているとのことで、肝臓の検査で良く引っ掛かります。昨年末に精密検査(CTスキャン、超音波など)を受けましたが、「脂肪肝のけがある」ということだけで、「特に異常なし」とのことでした。飲酒はかなり量が進む方で、その影響もあるので現在は少し慎んでおります。
 膝の状況ですが、今年の夏7月の末頃、神社の拝殿でお払いを受けている際、正座をしていて膝が苦しくなって少し浮かすようにしていたところ、ぐきっと言うような感じで右膝に痛みが走りました。そのときはそれで済み、その後キャンプやハイキングなどを楽しんでおりましたが、9月の中頃から膝が痛み出し、次第に階段を降りるのが大変になり、また腰も痛くなってきましたので、10月に入ってすぐに会社の近くの東京都職員共済組合A病院ヘ行き診ていただきました。整形外科のT先生が担当でした。レントゲン、MRIの検査を受け、「右膝外側の半月板断裂があるので手術をして全部取らないと痛みは取れない」との診断を受けました。(最低2週間の入院と別にリハビリ、場合によっては4週間程度の入院)また私の場合は「半月板が三日月状というより半月状に近い物で損傷しやすい」という説明も受けました。MRIの画像では素人目にもはっきりと白く線が入っており、内側の半月板とは状態が違っておりました。そのときは非常にびっくりして手術を受けるためにどうしたらよいか考えながら帰ってまいりましたが、ゆっくり考えてみますと損傷しているとはいえ外側の半月板を全部取ってしまって良いのだろうかと不安になってまいりました。
 「お医者様により見立てが違うこともある」と知り合いから聞き、別のお医者様にも念の為見ていただこう、手術を受けるならば家の近くの方が便利も良いたろう、ということで家の近くのK病院(杉並区阿佐ヶ谷)でも診察を受けました。整形外科のS先生が担当でした。検査は同じようにレントゲン、MRIでした。診断は「右膝外側半月板の水平断裂」ということで、「痛むようなら手術で剥がれたようになっている部分を切除することになる」とのことでした。(入院は1週間から2週間程度)
 どちらの先生も手術ということでは同じですが、全部取るのか一部取るのかが違っております。ここは大きな違いだと思うのですが。また、入院も1週間から4週間と幅があり仕事を休む関係上どうなるのか問題です。費用もかなりかかるでしょうし、家族の負担もかなりかかると思います。
 貴ホームページの解説でも半月板の手術については触れられており、大体わかったような気になってはおりますが、私としては
1.半月板を全部取ってしまっても差し支えないのかどうか。
2.半月板手術後の生活等への影響…スポーツ等が出来るようになるのかどうか、いつ頃から大丈夫なのか等。
3.年を取ってからの影響… 膝に再び痛みが出ることはないのか等。
4.手術の危険性はないのか
5.後日別のところに無理がかかって痛み出すようなことはないのか
6.リハビリはどのくらいの期間、どのくらいの頻度で通わねばならないのか
7.手術後の注意事項(短期的・長期的)
8.費用について、健康保険で出来るのか、入院費はどれくらいかかるのか等心配です。
また、半月板は両方で4つあることになると思うのですが、他の3つに同じようなことが起きる確率はどれくらいなのでしょうか。
 2ヶ所の病院ともに大変混雑しており気ぜわしく、また、その場になるとなかなか質問が頭に浮かびません。大変恐縮ですがアドバイスを戴けたら幸いです。よろしくお願いいたします。

[tomos]

 Y.A生さんは二つの病院を受診されて、「右膝外側半月板に断裂があり手術(鏡視下半月板切除術)が必要」との説明を受けられたようですが、手術方法等の説明に関して二つの病院で違いがあり、戸惑っていらっしゃいます。

<1.3.5.に関して>
 半月板損傷は、MRI検査によりたやすく診断できるようになりましたが、その半月板の損傷の仕方・程度を診断するには、膝関節鏡で関節内を直接観察する必要があります。
 手術時に半月板を全部切除するか部分切除するかは、その損傷の仕方・程度によります。損傷の著しい半月板は全部切除することになりますが、著しく傷んだ半月板を放置するよりはこの方がベターだと思います。しかし半月板も無駄な組織ではないので、全部切除すると将来膝関節症になりやすいようです。ただ、傷んだ半月板を放置して膝関節に無理がかかることの方が、より変形性関節症になりやすくなります。
 なお外側半月板は、内側半月板に比べると、全部切除してもあまり問題にならないことが多いようです。

<2.6.7に関して>
 手術後は、半月板の切除の程度等にもよりますが、約2週間は松葉杖による歩行が必要です。半月板損傷の患者さんは太ももの筋肉(大腿四頭筋)が弱っていることが多く、手術後はこの大腿四頭筋を鍛えるリハビリが必要になります。このリハビリは自宅でも実施が可能です。スポーツへの完全復帰は、種目にもよりますが、このリハビリの効果をみながらということになります。一般的には、手術後2〜3ヶ月でスポーツへの復帰が可能になります。

<4.に関して>
 手術自体の危険性はほとんどありません。麻酔(腰椎麻酔または全身麻酔)の危険性だけです。それぞれの手術説明書を参照してください。

<8.に関して>
 「入院治療費について」を参照してください。

 「円板状半月板かもしれない」との説明を受けておられますが、円板状半月板はそのほとんどが外側半月板に、また両膝に生じます。つまり、もし円板状半月板が原因だとすると、左膝にも同じ症状が出現する可能性があります。


(Nov/12/1998)

KAZ [98年 10月 10日 (土) 2時 16分]

 はじめまして。26才(女)です。
 15年ほど前に「半月板損傷」で内視鏡による手術をうけました。それ以降、スキーなど膝を使うスポーツをやるたびに痛みが出るようになりました。ただ、歩けないほどの痛みではありません。放っておいても1週間ほどで痛みは消えます。
 先日、急にその膝が腫れ痛みだしました。それ以来、階段を降りたりなど膝を曲げると「ゴリゴリ、メリメリ!!」とすごい音がするようになりました。今は腫れも痛みもないのですが、音が気になるため、受診したところ、「半月板が再び損傷してるのでは?」との診断でした。ただ、「痛みもないなら今すぐ再手術の必要はないでしょう」といわれました。...が、「これから今までのようにスポーツをしたいなら、いずれは手術だろう」とのことでした。
 今年いっぱいは時間に余裕があることを先生に話したところ、「時間のあるうちに、傷ついた所を取ってしまいましょう!」と言われました。「筋肉トレーニングでも持ちこたえられる段階」との診断でしたが、手術を受けるべきなのでしょうか?もし手術しないとしても、この「膝の音」は気にすることはないのでしょうか?

[tomos]

 11歳の頃に「半月板損傷」で内視鏡による手術を受けたとのお話ですが、小児期の半月板損傷の大部分は円板状半月板が原因です。
 膝の半月板は関節の内側と外側にある縁取りのようなもので、関節のクッションのような働きをし、その形状から半月板(実際は三日月状)と呼ばれています。円板状半月板は主として外側の半月板が生まれつき円板状(満月状)をしている場合をいい、本来は大腿骨と脛骨の関節軟骨が接する半月板が存在しないところに半月板が存在することになるため、半月板が傷みやすくなります。
 半月板が損傷していると膝の腫れ・痛み、歩行時に膝がガクッとする(膝くずれ)、傷んだ半月板がはさまって膝が伸びにくくなる(ロッキング)などの出現することがあります。また放置すると、早晩膝の関節の表面を覆う関節軟骨を傷め、変形性関節症になると言われています。いずれにせよ、日常生活に支障があれば手術(鏡視下半月板切除術)をしたほうがいいと思います。
 ところで、tomos の経験では、中高年者の膝の関節鏡検査で円板状半月板(損傷を伴う)が見つかることがしばしばありますが、それらの患者さんの中にはそれほど日常生活には支障がなかったという患者さんもいらっしゃいました。「ゴリゴリ、メリメリ」を繰り返しているうちに傷んだ半月板がそれなりに削り取られて関節に適合し、日常生活程度の活動ではさほど困らなかったのでしょう。

(Oct/13/1998)

コンコルド ママ [98年 9月 19日 (土) 16時 07分]

 私の義母のことでご相談したいのです。義母は64歳で身長151p、体重51s、田舎で一人暮らしです。兼業農家で若いころはずいぶん重たいものも運んだりしていたそうです。
 1年半ほど前から左膝が痛くなり、近くの医院で変形性膝関節症と診断され、膝の水抜きや関節注射、飲み薬に湿布薬、赤外線照射などの治療をうけてきましたが一向に良くならず、4軒ほど医者を代わってきました。一時は痛みも少なくなり足取りもしっかりしたようでしたが、今度は腰が痛くて起き上がることもできないほどになり骨粗鬆症と診断され、カルシウムの注射を10本打ちました。
 腰はそれで痛みも取れたのですが、その後、膝が前にも増して痛むようになり、腫れて曲げ伸ばしも不自由です。私の主人の勧めで整形外科の先生に診ていただいたところ「大腿骨内顆骨壊死」との診断でした。「どうして早く専門医に診てもらわなかったのか」といわれ、「手術するかこのまま足が動かなくなるしかない」ということでした。義母は、手術を怖がっています。変形性膝関節症との違いや治療の方法、手術を避けられないものかどうかを教えていただきたいと思います。

[tomos]

 変形性膝関節症と大腿骨内顆骨壊死は、どちらも50〜60才以上の女性に多く、膝の痛みが生じるという共通点があります。しかし両者は病気の原因やレントゲンで見たときの像が大きく異なります。
 変形性膝関節症は膝関節の一種の老化で、関節の表面を覆う軟骨がすり減ったり骨が変形して、文字通り関節が変形するものです。肥満やO脚、大腿部の筋力低下などがあると膝関節に加わる負担が増加し、本症になりやすくなります。本症の予防・ケアのためには、肥満の解消大腿四頭筋訓練、足底板(関節の負担を減らし歩きやすくするための一種の靴の中敷)や膝サポーターの装着が効果的です。また、O脚を矯正する高位脛骨骨切り術人工膝関節などの手術的治療を選択することもあります。
 一方、大腿骨内顆骨壊死は、膝関節内側の大腿骨側の骨が壊死(「えし」、組織が死んで壊れること)に陥るもので、原因として「大腿骨内顆の骨を栄養する血管に障害が生じ骨が壊死になる」という意見や、「老化で弱くなった骨に小さな骨折が繰り返し起こり壊死になる」という意見があります。また、本症はステロイドの長期投与によっても生じることがあります。
 症状に関しては、大腿骨内顆壊死は変形性膝関節症と違って急激に膝の内側の痛みが生じますが、その後の症状は変形性膝関節症と大差ありません。
 大腿骨内顆壊死の治療ですが、発症して間もない時期や壊死部の面積が小さい場合は保存的治療が選択され、杖による免荷(脚に体重をかけないこと)や足底板の装着などが行われます。これに対して壊死部の面積が大きい場合は、将来、変形性膝関節症になりやすく、O脚傾向の人には大腿骨内顆に体重がかかりにくくする高位脛骨骨切り術が行われることが多いです。O脚傾向のない人には、壊死部のシェービング(そぎ落とすこと)やドリリング(骨に穴を開けて治癒を早めること)が行われます。以上の手術では、手術後に松葉杖で歩行する必要がありますが、松葉杖が使えない高齢者では人工膝関節を選択することもあります。

(Sep/22/1998)

なおき [98年 7月 06日 (月) 15時 13分]

 こんにちは、僕は18歳で、男です。今年社会人になったばかりです。身長は182cmで、体重は71kgです。スポーツはバスケットを小学3年のころからやっていて、今も週に2回くらいやっています。受けたことがある手術は、関節鏡だけです。今かかっている病気は「膝蓋軟骨軟化症」です。
 最初になったのは、3年半ぐらいまえで、この時に膝のどこが悪いのかみるために、関節鏡をやりました。そしてこの時の医師の説明は、「とにかく運動をしないようにすること」でした。なのでバスケットをしばらく休み、筋トレだけをやっていました。そして3ヶ月ぐらいしたら、今までどおり動けるようになり、バスケットを再開しました。
 ところが、1年半ぐらい(今から1年半前)してからまた同じような症状がでてきて、病院に行くようになりました。運動すると、水がたまってしまい膝の曲げのばしや、運動すると痛くなったりと、とてもつらかったです。それを楽にするには、水を抜くことしかなくて、しょっちゅう水を抜いていました。「ほかになにか治す方法がないのか」聞きましたが、「治す方法は、運動をしないようにするしかない」と言われました。でもバスケットをすてることができず、水を抜きながらやっていました。
 以上が今までの状況ですが、今もバスケットなどをやっていて、膝に水がたまってないときがないくらいひどい状態です。このまえは、60cc(たぶん)抜いたとおもいます。自分としては、日頃の生活にも影響をだいぶ与えているこの病気を、一刻も早く治したいのです。そして手術をして治したいと言ったのですが、この病気は手術では治せないと言われました。
 そこでこのインターネットをみて、すぐにでも相談してみたいと思い書いてみました。どうかいい方法がありましたら教えてください。お願いします。

[tomos]

 太ももの前面の大腿四頭筋という筋肉は、下側は脛骨(スネ)の上端につながっていて膝を伸ばす働きがあります。この筋肉は膝関節の前面、大腿骨の下端のところで膝蓋骨を有しています。この膝蓋骨は大腿骨の下端との間で関節を形成し、膝の曲げ伸ばしに際して運動をスムーズにする働きがあります。
 膝蓋骨と大腿骨の間のこの膝蓋大腿関節はお互いに軟骨面で接していますが、他の関節と同様に適合性(フィッティング)、安定性が重要です。この関節の適合性・安定性が悪く使い傷み等で膝蓋骨の関節軟骨が傷んで柔らかくなった状態を「膝蓋軟骨軟化症」と呼んでいます。
 これは若い女性に多く、O脚よりもX脚の方に多い傾向のある疾患です。スポーツでこの症状が出現する方もいらっしゃいますが、外来で診察させていただいた印象では、立ち仕事の女性、体重が急激に増加した女性に多いように思います。
 この膝蓋軟骨軟化症の治療は、痛む動作(スポーツ等)を控える、大腿四頭筋を鍛える、大腿前面(大腿四頭筋)のストレッチングをするなどで様子を見ます。膝蓋骨を安定させるサポーター(パテラ・ブレース)を装着していただくこともあります。難治例には手術(膝蓋骨にかかる圧力を減らしたり、関節の適合性を良くする手術)を選択することもあります。ストレッチングとパテラ・ブレースは効果がありますが、バスケットボールのような激しいスポーツではパテラ・ブレースはあまり役に立たないかもしれません。
 一般的にX脚の方は膝蓋大腿関節に障害をきたしやすく、脚を酷使するスポーツはあまり適していません。一方、O脚は俗称「がに股」と呼ばれ格好は悪いですが、多少のO脚はスポーツにはあまり支障がありません。
 なおき様は関節に水がたまるとのことですが、バスケットボールのようなストップ・アンド・ゴーを繰り返すスポーツでは靱帯や半月板を傷めやすく、それが原因になっていることもあります。

(Jul/8/1998)

ウサギ [98年 6月 12日 (金) 1時 26分]

 小5の息子のことでご相談いたします。
 X脚で3年生のころより整形外科を受診し、様子観察をしています。少しずつ進行しているようで、治療方法として「かすがいを入れる方法」と「引っ張る方法」があると説明を受けました。
 かすがいを入れる方法を取れるのは小学校5・6年生までしか出来ないとのことですが、現在日常生活で特に困ることはありません。太っており(131cm、42s)運動はとても苦手ですが、12,3kmぐらいのハイキングでも平気です。疲れや痛みを訴えることはありません。スイミングに週1回行っています。外観としてはひざが内側に少し入り内股で歩きますが、かすがいを入れる手術をした方がよいのか、このまま様子を見てもよいのか迷っています。
 背が低いのも気がかりで、もしかすがいを入れる手術をした場合成長に影響はないのか、また入れたかすがいを抜く場合きれいに抜けるのだろうか等、不安になってきます。
 将来的なこと、日常的なこと等も含めてアドバイスいただければありがたいです。よろしくお願いします。なお、上肢・下肢のレントゲン撮影をしています。

[tomos]

 小児の脚の形態は、年齢とともに生理的に変化します。歩き始めから2才頃まではO脚ですが、4才頃には逆にX脚になり、その後成長に伴って軽いX脚になります。これが正常な脚の成長です。
 日本人は軽度のO脚の人が多いといわれています。しかし、そのために治療を要することはありません(たいていは無症状のため)。くる病(ビタミンD欠乏)、先天性の骨の病気、骨折などのケガ、脳性麻痺などが原因でなることもありますが、O脚・X脚は特にはっきりした原因がない場合が大半です。大ざっぱに言って、両親がO脚・X脚なら子供もそうなることがが多いようです。なお、O脚とX脚を比べた場合、スポーツに関して言えば、O脚よりX脚の方が色々と問題(膝のスポーツ障害)があります。
 整形外科外来には、2歳前後のお子さんを連れたお母様がO脚を心配してよく来院されます。ほとんどは生理的なO脚であり、様子を見るようにお話をするだけです。しかし様子を見ても自然矯正傾向のないときは、装具を装着して矯正を促すことがあります。X脚も軽度の場合は様子を見るだけですが、20度以上のX脚は装具治療が行われます。こういった装具治療が有効なのも7才前後までで、それ以後は手術的治療が行われます。
 手術は矯正骨切り術(骨を切って変形を矯正する方法)を行うこともありますが、ステイプル(ウサギ様の言う「かすがい」、コの字型の釘)で骨の成長軟骨(膝の場合は大腿骨の下端と脛骨の上端にある)を固定して骨成長を阻害し、変形を矯正することもあります。例えば、X脚の場合でしたら膝の内側の成長軟骨を固定して骨成長を阻害してやると、外側だけの成長軟骨から骨が成長しますからO脚の方向に骨が成長することになり、結果的にX脚が矯正されることになります。このステイプルで骨成長を阻害することをステイプリングと呼んでいます。当然のことながら、骨の成長軟骨が閉鎖して骨成長が止まる中学・高校以降は、ステイプリングで矯正することは不可能になります。
 ご相談の件ですが、ステイプリングによる骨成長の阻害は膝の内側だけですから、これにより身長の延びが極端に阻害されるようなことはないと思います。また、ステイプルの抜釘は、なかなか面倒なこともありますが、抜けなくなるようなことは少ないです。
 その他に、創外固定という金具を骨に刺入し、時間をかけてこれを調整し骨の変形を矯正すること(ウサギ様の言う「引っ張る方法」)も行われています。
 脚は軽いX脚なのが正常ですが、多少のO脚・X脚は日常生活にも影響はなく許容できます。しかし、ひどいO脚・X脚は、もしご希望なら治せるうちに治すのも一つの選択だと思います。ウサギ様のご子息のX脚がどの程度なのかわかりませんが、そのあたりのことは主治医の先生とよくご相談ください。

(Jun/16/1998)

toriko [98年 6月 10日 (水) 23時 50分]

 はじめまして。よろしくお願いします。
 現在30歳、女性です。15年前に右膝前十字靭帯損傷にて、(外側の腸脛靱帯を移植する)前十字靱帯の再建術を受けています。それは異常ないのですが、今回は左側を転倒により捻ってしまい、同様の診断を関節鏡検査により指摘されました。完全断裂ではなくて、靱帯は糸の細さぐらいでつながっている様です。半月板の損傷はありません。再手術することには躊躇するものもがあり、とりあえず筋力の強化につとめたいと考えています。(現在、歩行、水中歩行、軽い水泳につとめています。)
 「再手術が必要なのかどうか」ということに関して、「保存的治療で、損傷した靭帯が再生するという例もある」と耳にしたのですが、上手く理解できません。先生、ご存じのことがあれば教えていただきたいのですが・・・今後のリハビリに対して、気をつけること等も重ねて教えていただきたいのです。お忙しいところを恐れ入ります。よろしくお願いします。

[tomos]

 関節鏡検査をして、以前の前十字靱帯損傷の跡が見つかることが時々あります。完全に断裂していることもあれば、なかには「のびてつながっている」ように見える靱帯もあります。完全に切れなかった靱帯が、それなりにつながったのでしょう。
 切れずに残った靱帯が糸のように細い場合、それが今後修復されるかどうかは疑問ですが、半月板損傷などの合併がなければ、まずは手術をせずに、靱帯不全の症状が出現しないかどうか経過をみるのが一般的です。しっかりした膝装具を装着し、早期から膝周囲の筋力トレーニングを実施したりします。後になって膝崩れなどの症状が出たり、靱帯不全による半月板の新たな損傷が出現したりすれば、前十字靱帯再建術等の手術が行われることがあります。激しい運動をするスポーツマンの場合、最初から再建術の手術を選択する場合もありますが。
 今回、けがをされてどれくらい経過しているのか不明ですが、外傷後早期であれば膝装具(前十字靱帯損傷用)を装着してリハビリをするのがいいかと思います。

(Jun/11/1998)

H.S [98年 6月 10日 (水) 17時 32分]

 はじめまして、よろしくお願いいたします。
 私(39歳男)は中学2年の時、膝下の前面の下腿骨のでっぱりの部分の痛み「オスグッド(シュラッテル)病」による手術(一般的には局部にたくさん穴をあける方法らしいのですが、私の場合は同部を削る様な方法でした。)を行いましたが、いまだに痛みがあり、膝をついたりすることは勿論、少し触っただけでも痛む事もあります。
 そこで最近、出来ることなら再手術をしたいと思い通院したのですが、「レーザー療法でしばらく様子を見ましょう」とのことでした。 この療法を続けることによって完治することはあるのでしょうか。そうではないのなら再手術をしたいと思うのですが如何でしょうか。

[tomos]

 オスグッド(シュラッテル)病は、主に成長期の小中学生などによく起こる膝のスポーツ障害です。
 太ももの前面の筋肉を大腿四頭筋といいますが、ザッカー・陸上などのように、ボールを蹴る・走る・ジャンプするなどの動作は大腿四頭筋を酷使し、その筋肉の下腿側の付着部である骨性隆起(脛骨粗面)に過大な負担をかけます。脛骨粗面は、成長期にはまだ成長軟骨の層があり酷使に弱く、また骨(身長)がどんどん伸びる時期なので大腿四頭筋の成長が追いつかず、相対的に大腿四頭筋の緊張が強くて脛骨粗面の軟骨に力がかかりやすいのがこの病気の原因です。手短に言えば、同部の使い傷みです。症状は、軽いうちは運動後の同部の痛みですが、重症になるとスポーツの継続が困難になります。
 オスグッド病の予防には、大腿前面のストレッチングが有効です。
 治療は、症状が軽いうちはスポーツの休止・膝のバンド・ストレッチングなどで様子をみますが、症状が重くて経過をみてもなかなか治らない場合は H.S 様のおっしゃるように「脛骨粗面のドリリング」(脛骨粗面の骨癒合を促す)、「脛骨粗面を削る」などの手術が行われます。
 アスグッド病は、たいていの場合、骨の成長が止まる成人になれば症状がなくなります。しかし、なかには脛骨粗面が遊離骨片になったり、大きく隆起したりして成人になっても時々症状が出現することがあります。H.S 様のように最近になって症状が出てきた症例は、まず局所の安静、湿布や塗り薬で様子を見ます。たいていは経過とともに症状が軽減します。予防には大腿前面のストレッチングが有効です。
 お尋ねの件ですが、本症へのレーザー治療の有効性は、tomos は経験がないのでわかりません。また手術はいつでもできますから、あせって手術をすることもないでしょう。なお成人の場合、遊離骨片の摘出・隆起部の切除などの手術が行われています。

(Jun/11/1998)

M.N. [98年 6月 09日 (火) 23時 31分]

 実は、姉(48歳)のことなのですが、3カ月ぐらい前から突然膝の痛みを訴え、近くの整形外科医院に行くと「膝に水がたまっている」とのことで注射器1本ぐらいを抜き取り、「関節炎だ」とのことで治療をしていただいたのですが、また1週間すると膝に水がたまり注射器1本ぐらいとったそうです。
 その医院で治療を2カ月半ほど続けたのですが痛みは全くひかず、不安になり別の大きな病院に行き診察をしてもらったのですが、「これだけ長く痛みが退かないのは、関節炎ではなく半月板の損傷ではないか。半月板の損傷は、外からはわからないので内視鏡入れてみないとわからない。半月板の損傷ならば手術をして3日間位の入院で治る」とのことです。
 2人の先生の意見が違い本人も不安になっているので、ご相談したしだいです。なお、姉は若い時からスポーツが好きでテニス、ゴルフなど毎週のようにしておりましたが、今までこのような痛みなどは全くなかったとのことです。それが今では階段をまともに降りれない状態です。先生の意見を、お聞かせいただければ幸いです。何卒宜しくお願いいたします。

[tomos]

 最初の医院では「変形性膝関節症」、次の病院では「膝の半月板損傷の疑い」の診断なのでしょう。どちらの疾患でもお膝に水がたまることがあります。
 変形性膝関節症は、一種の関節の老化で、関節の表面を覆っている関節軟骨が、長年の酷使ですり減ってきている状態です。肥満、O脚、スポーツによる酷使、外傷などが原因になります。治療法などは、手術説明書の「高位脛骨骨切り術」のところで説明しています。
 半月板損傷の可能性もあるとのことですが、関節鏡検査により半月板や軟骨の傷み具合が診断でき、今後の治療方針の参考になります。
 このホームページには、現在医師の診察を受けている方が、いわゆる「セカンド・オピニオン」を求めて相談される場合が多いのですが、M.N. 様の場合は「サード・オピニオン」ですね。わからないことは現在診察を受けている医師にたずねるのが一番だと思うのですが...。患者様側も、もっと上手に医師にたずねる方法を考える必要がありますね。と、最近つくづく思います。

(Jun/10/1998)

Oh! [98年 6月 09日 (火) 20時 48分]

 こんにちは。先日はご意見の方ありがとうございました。
 やはり入院しなければならない。検査と言っても手術と同じですから、庶民としては抵抗はかなりあります。関節鏡検査で治る確率は1割程度 9割はあくまでも検査になるといわれるとなおさらです。
 しかし、これで治るのならと思う心も・・・(治りますかね〜。不安です。)他に方法は何かないものかと思う心も・・・でも好きな運動も早くめいっぱいしたいですからね〜。(年とってしまうし・・・)(ちなみに走ることが大好きです。今はあまり負担がかからないようにマウンテンバイクで遊んでます。)
 なにか 膝に良い運動あったら教えてください。

[tomos]

 膝関節の悪い患者さまには、大腿四頭筋という太ももの筋肉を増強する運動をお勧めしています。自宅でできる方法についてお教えしますと、まず仰向きになって寝た状態になります。そして脚を伸ばしたまま約10度ほど挙げてください(これをSLRといいます。 straight leg raising )。そのまま約10秒ほど挙げたままにします。これを何回か繰り返します。この運動が楽になってきたら、足首に1〜3Kgの重りを巻いて負荷をかけるといいでしょう。イスに座った状態で脚を下垂し、そこから膝を伸ばすという方法もあります。この場合もやり方はSLRと同様です。

(Jun/10/1998)

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